症例〔突発性難聴・耳鳴り〕
当治療室の症例の一部を紹介しています。
同じ病名や症状であっても、効果には個人差があります。
*このページは2022年に追加作成しました。2021年後半以降の症例を掲載しています。
症例68 突発性難聴 閉そく感 水の音が金属音に聴こえる

症状: 来院5日前、朝起きたら左耳がかなり聴こえづらくなっていた。当日に耳鼻科受診をして、すべての音域で聴力低下が見られ突発性難聴と診断された(平均聴力/4分法で67,5dB)。その後、耳鳴り、回転性めまいも加わり、強い閉そく感もある。入院治療をすすめられているが、入院しても「治る確率は1/3」と言われたこともあり気が進まない。服薬と鍼灸で改善したい。 来院者:50代女性 期間:2025年6~9月 通院回数:25回 通院頻度:1週間に2回 施術と経過: 初診:この日は耳鼻科受診もあり、検査にて聴力は発症時より悪化していた(平均聴力/4分法で87,5dB)。 触れて確認すると、左側の顎関節の緊張が強く、また周囲にむくみ感もある。振り向く動作でも、首の左側にひっかかりを感じるところがある。ご本人には肩こりの自覚はないが、左側の僧帽筋の緊張も強い。 患側にみられるこれらの状態を改善することにより、内耳の血流を改善させることを目指した。手・足、背中および腰のツボから、適宜選んで使用した。 常にあった閉そく感は6診目から徐々に薄くなり、12~14診目頃には気にならない程度になった。 また、シャワーから出る水の音も「ジー」といった金属音のように聴こえていたが、14診目頃に「水の音」と認識できるようになった。起床時のめまい(毎日ではないが、起こると強い)も14診目以降は消失した。 3か月後の聴力は平均張力/4分法で45dB。正常範囲には届かなかったが(ざわざわしている状況では聞き返すことがある)、つまり感、めまいはなく、施術を終了した。 まとめ: 高度難聴(70dB以下)に対する3か月間の鍼灸治療の症例。明らかに左側の緊張が強かった。発症からの時間が経過するほど聴力の改善は難しくなるが、週2回の施術を継続することにより3か月目にも改善が見られた。
症例67 聴こえの低下 耳に「ボー」っとこもる感覚が常にある

症状: 来院5週間ほど前に左耳に違和感が起こり、その後聴こえの低下を感じた(正面にいる人の言葉が聞こえにくい)。加えて耳のつまり感も強く感じるようになったため、来院2週間半前に耳鼻科を受診。聴力検査では軽度難聴(30~35dB)が見られ、突発性難聴と診断された。メチコバール、アデホスコーワを処方されている(ステロイドも提案されたが、アレルギーの可能性があるため辞退)。来院時、つまり感はピーク時よりは少ないが、「ボー」っとしてクリアではない感覚が常にある。 来院者:60代女性 期間:2025年8~9月 通院回数:4回 通院頻度:1週間に3回 施術と経過: 首、肩、背中などを触れて確認すると、顎関節周囲は患側(左側)の緊張が強い。 この部位の緊張を緩和する方針で施術を行った。背中・腰・手・足などのツボに鍼をした。「最近は使っていなかった」というマウスピース使用を再開していただいた。 2診目: 左耳の「ボー」っとした感じが「ない時」があった。つまり感も、少ない。 3~4診目: 「ボー」っとした感覚とつまり感がさらに少なくなり、そしてほぼなくなった。聴こえについては、テレビのボリュームで確認してもらったところ、左右とも同じボリュームで聴こえた。 耳鼻科で再び聴力検査を受け、左右ほぼ同じ(正常範囲)になった、と後日ご連絡をいただいた。 まとめ: 顎関節の緊張は耳に影響する。顎が痛い・開口しづらい、などの自覚症状がない場合でも、丁寧に触診すると本件のように緊張の強い部分が認められる。最初に左耳に違和感が起こった頃は職場などで大きなストレスを抱えていたとのことなので、気づかないうちに歯を食いしばっていた可能性もある。
症例63 副鼻腔炎による低音障害型感音難聴
