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​症例〔腰と股関節の症状〕

当治療室の症例の一部を紹介しています。

同じ病名や症状であっても、効果には個人差があります。

*このページは2022年に追加作成しました。2021年後半以降の症例を掲載しています。​

​症例1 複数の慢性症状 腰痛、胃腸痛、疲れがとれない

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来院者: 40代女性     期間:      2021年7月~8月  通院回数:2回  通院頻度:1週間に1回 ​ 症状: 腰痛は7年前に妊娠したときから、胃腸痛は4か月前から続いている。寝ても疲れがとれずすっきりしないことも、ここ2年ほど続いている。自身の年齢からこれらの症状は更年期による症状かもしれないと思ったが、婦人科にて女性ホルモン値は正常値(更年期を示す値ではない)だった。体がすっきりしないからか、イライラ感もあるとのこと。 ​​施術と経過: 腰の状態を確認すると、股関節の奥の筋肉に固さがみられたので足に鍼をして緩めた。お腹に触れると、季肋部(肋骨の際)に緊張が強いところがあったので、そのエリアを手・足のツボで緩めた。肩から背中をチェックすると、首や肩上部のこり感に加えて、背中(腰に近いエリア)の重さも自覚症状としてあったので、足のツボで対処。 ​ 2診目 来院時、「だいぶ調子がいいです」。立ち上がった後の腰の痛みが減少。背中のつらさや胃腸痛もかなり少なくなっている。全身の疲労感も改善されたからか、いらいら感もだいぶ少ないとのこと。前回と同様の施術をした。経過良好であったので、施術はいったん終了し様子をみることにした。 ​まとめ: 胃腸痛については、お仕事とご家庭とどちらも忙しいご様子から、心身の疲れが重なり、慢性的な不調につながっていると考えた。内臓の調子は体表に現れるので、その部位を改善するツボをつかって症状を解消することを目指した。腰痛, 背部痛、そして胃腸痛の改善により、すっきり感を感じられ、またイライラ感も改善された。 ​

​症例4 寝返りがつらい腰痛

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来院者:50代女性 期間:2021年10月~12月 通院回数:3回  頻度:2~3週間に1回 症状: 腰が張る感じは数年前からあったが、コロナ感染者増加によるリモートワークが始まってからデスクワークが長くなったため、張りはさらに強くなっていた。椎間板ヘルニアを患ったことがあるため腰のメンテナンスはしていたが、コロナによりできなくなっていた。3日前に急激に悪化してから、寝返りのたびに痛みで目が覚めてしまう。右腰が「まるで太い柱が入っているように」固くなってしまった。 施術と経過:  左側に比べて、右側の腰(くびれのあたり)は筋肉がかなり固く、術者が押圧しても指が入らない。患者様自身も右側を押されるほうが「かなり痛い」。加えて動作を確認。立位で前屈や側屈したときに、痛みにより動きに制限がかかる。仰向けで右側の腰を浮かせるときに激痛。ソケイ部にも右側の緊張が強い。 ソケイ部の緊張を緩めるために足の甲にあるツボに鍼を、腰のくびれの部分を緩めるために臀部のツボに鍼をしたところ、右腰にあった「太い柱」は少し「細く軟らかい柱」になった。押圧されたときのするどさが減少し、寝返り動作での痛みが消失した。 2診目 来院時、「張りや痛みはまだあるけれど、だいぶ調子がいいです」。寝返りで目覚めることもなく、仰向けからの起き上がりもさっとできる。立位で腰を動かしたときに残る制限を取り除くために、臀部や手の甲のツボに鍼をした。 3診目 右腰の重さはいくらかあるが、日常動作ではまったく支障がない。腰の痛みが強すぎるために中断していたストレッチもまたできるようになったので、セルフメンテナンスで様子をみられることになった。 まとめ: 椅子に座りっぱなしの時間が増えることで、腰の筋肉の緊張が強くなり、睡眠障害まで起こした症例。動作確認から緊張の原因点が股関節にあることが分かったので、「柱のように」固くなった部位そのものには鍼をせず、腰痛を改善することができた。

​症例5 歩けなくなるかと思った股関節痛

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来院者: 60代女性     期間:2022年12月~2022年1月  通院回数:2回  通院頻度:2週間に1回 ​症状: 3か月前より左股関節の前側に痛みがあり、歩行中に左足を踏み込むときがつらい。原因は思い当たらず、気づいたら痛くなっていた。整形外科では、レントゲン所見に問題なし。毎日犬の散歩をしているが、痛みのためにできなくなってしまうのではと不安がある。他に、車の運転席に乗り込む時、左大腿部を座席に引き上げる時にも左股関節の同じところが痛む。 ​施術と経過: 歩行時の痛みについては、左足を踏み込むときにソケイ部のあたりが痛む。動作を確認したところ、立位からしゃがむ動作でも同じ部位が痛い。ベッドに腰かけて膝を胸に引き寄せる動作でも同じ部位に痛み。股関節の痛みのため、あぐらも左足のみできない。 初診 股関節の奥の緊張をゆるめる目的で足の甲のツボに鍼をした。すると左の膝を引き寄せる動作が軽くなる。腰へ鍼をしたところ、しゃがむ動作がスムーズになる。あぐらはまだできない。 2診目(14日後) 左股関節の痛みは10→3に減っており、歩行では「そういえば不便がなくなっている」とのこと。安定させる目的で前回と同様の施術をしたところ、ソケイ部の重さはさらに減少した。あぐら動作を妨げてしまういくつかの緊張点を臀部やふくらはぎのツボを使ってゆるめたところ、痛みなくあぐらもできるようになった。「もっと早く来ればよかった」との声。 まとめ: 股関節の痛みは歩行に影響するため、日常生活への影響が大きい。不安な気持ちで整形外科を受診される方も多いけれど、骨そのものには問題がなく筋肉の緊張が原因になっていることが多い。痛みの起こる動作を丁寧に確認することで、ソケイ部の痛みの原因点がしぼられた。3か月間抱えられていた不調であったが、少ない施術回数で改善できた症例。

​症例7 歩行時に外れそうな股関節

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来院者: 40代女性     期間:2022年3月  通院回数:1回  ​症状: 2年ほど前から左腰から足にかけての不調がある。歩行時に左股関節が外れるような感じがあり、つま先が外側に開いてしまい地面に足がひっかかることもある。左半身の感覚が弱い感じがあり、椅子に座っている時にも左側にからだが傾いてしまうことがある。整形外科での腰と股関節のCT画像では異常がないとのこと。発症と同じ頃に歯のかみ合わせを治しており、それから調子が悪いような気がする、とのこと。​ 施術と経過: 股関節の動きをチェック。ベッドに腰かけた状態で膝を引き上げる動作では、左足の重さが強く、ソケイ部に違和感。股関節をひねる(内旋・外旋)動きも、左足の可動域が狭い。 足の甲のツボに鍼をしたところ、膝を引き上げやすくなった。続いて、膝や足のすねにあるツボに鍼をすると、股関節の緊張が緩み、動きやすくなった。手のツボで股関節外側の緊張を緩めた。すると、ソケイ部の違和感や股関節が外れる感じが10→2.5くらいに減少。椅子に座ってもらったところ、からだが傾いてしまう感じも消失していた。 1週間後、当院でのお灸教室にご参加いただいた時にその後の様子をうかがったところ、「施術後の状態をほぼ保てており、少し意識することにより足が地面にひっかかることはなく歩けるようになった」とのこと。  ​まとめ: 「歯の矯正をしたころから股関節の不調があらわれた気がする」というお話がヒントになりました。顎関節の不具合による緊張が他の部位に影響することは多いです。施術後に「痛みのあるここ(ソケイ部)にたくさん鍼を刺されるのかと思っていました」と言われましたが、動作確認から痛みの原因点は他の部位にあることがわかり、その部位の改善を目指したところ股関節の痛みが大きく減少しました。

​症例9 妊娠中の症状 つわりで動けず痛めた肩と腰

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来院者: 30代女性     期間:2022年8月  通院回数:1回  症状: 第2子妊娠中(16週)の妊婦さん。つわりが重く、寝たきりが続くにつれ(一時入院治療もあり)、左の首肩と腰に痛みがでてきた。また、10 日ほど前からつわりが軽快し、少しずつ起きて生活することができるようになったところ、長男にだっこをせがまれ、腰痛はさらに悪化した。 ​施術と経過: ずっと体の左側を下にしていたとのこと。首を右に倒す動作では左の首すじの広い範囲に強いツッパリ感がおこる。また、頭と首の境(左側)のあたりに、強い痛みを感じているポイントがあり、その部位の硬さを確認した。  腰は、椅子から立ち上がる動作や前かがみ動作で右より左腰が痛む。 手や足のツボに鍼をしたところ、左の首すじのツッパリ感が消失。頭と首の境にあった強い緊張もゆるみが見られた。臀部とふくらはぎにも強い緊張があり、側臥位でその部位に鍼をすると、左腰の痛みを感じることなく前かがみ動作ができるようになった。 ​まとめ: 同じ姿勢で寝ていたために、圧迫されていた肩と腰に痛みが起った。それぞれの緊張を起している原因点に鍼をすることで症状を解消することができた。 ​

​症例11 寝返り動作で痛む右股関節

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来院者: 40代男性 *当院は女性専用治療室ですが、通院中の患者様のご家族に限り,男性の施術をしています   期間:2022年8月  通院回数:1回  ​症状: 1か月ほど前に、右ソケイ部が突然痛くなった。整形外科でのレントゲンでは、「軟骨のすり減り」がみられる、とのこと。股関節が痛くなった頃から、右足だけにむくみ感と倦怠感が続いている。 ​施術と経過: 仰向けから横向き(右肩が下になる姿勢)になる時に、右股関節を外旋する動作で右ソケイ部が痛む。あぐらで座れるかどうか試してもらったところ、右ソケイ部が痛み、左膝よりも右膝のほうが床から浮いてしまう。 右臀部に緊張の強い部分があり、その部位を腰のツボで緩めた。膝のツボへ鍼をして、大腿内側の緊張を緩めた。他に、土踏まずの左右差をふくらはぎのツボで調整した。寝返り動作やあぐらをしてもらったところ、少し違和感は残るものの、ソケイ部の痛みはほぼないとのことなので、施術を終了した。 ​まとめ: お仕事では立ち仕事で重いものを運ぶことも多いとのこと。下肢へかかっていたいくつかの負荷を取り除いたところ、ソケイ部の痛みが大きく軽減した。レントゲン所見で股関節の軟骨の変化がみとめられている場合でも、股関節に関係する筋の緊張を緩めることによって痛みが消失することは多い。 ​

​症例16 広い範囲に重だるさがある腰痛 前屈は「ゆっくりならできる」

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来院者: 60代女性  期間:2023年2月~2月  通院回数:3回  通院頻度:1週間に2回 ​ 症状: ご来院日の前夜、湯船から立ち上がる時に突然腰に違和感を覚えた。翌日は様子をみていたが違和感が抜けず、重症化しないうちに改善をしておきたい、とご来院された。介護施設でアルバイトをされており、この状態では担当している高齢者の介助をするのに不安がある。 ​施術と経過: 1診目 立位での動きを確認すると、前屈や患側方向への回旋などで左腰(くびれの高さ)を中心に上下(背中のあたりや臀部まで)に強い重だるさが広がる。そのため、前屈は「ゆっくりならできる」状態。また、椅子に座った状態で靴下をはく動作でも同様に痛む。腰に触れると、明らかに左側だけ緊張が強い部分があり、そこを緩めるために臀部に鍼をした。続いて、足部のツボに鍼をすると、前屈もスムーズに深くできる。靴下をはく動作も問題なくできるようになった。 2診目(2日後) 痛みはピーク時にくらべて10分の1で安定している。日常生活に不便はないが、寝返り動作では少し痛みあり。(もともとメンテナンス的に定期的にびわの葉温灸を受けられている患者様なので)ご本人より希望があり、この日は腰~下肢を中心にびわの葉温灸を施術。施術後、寝返り動作での痛みは消失。 3診目(2診目の4日後) 動作痛は全くないが、腰の深いところになんとなく「不安感」が残っているとのことで、再度びわの葉温灸を施術。 この1週間後、「職場での高齢者の介助も一人でできたので、もう大丈夫だと思う」との報告をいただいた。 ​まとめ: ご来院時は広い範囲の重だるさを訴えられていたけれど、動作確認や触診で痛みの原因点をしぼり込み、その部位に関連するツボを使うことにより早期に改善できた。

​症例19 座り続けるとつらくなる腰痛と背中の痛み

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来院者:30代女性 期間:2023年4月~4月 通院回数:2回 頻度: 1週間に1回 ​症状: 腰痛は10代の頃から。4年前には椎間板ヘルニアのため半年間ブロック注射を受けたが、通院終了後も腰の不調を抱えている。椅子に座り続ける、前かがみの姿勢を続ける、重いものを持つ、 などで悪化する。腰から背中まで広く痛むことも多く、痛みに気力が奪われる。からだのメンテナンスには鍼灸が良いと話す人が周囲に多く、鍼灸に興味を持ち、ネットで当院を見つけて来院された。ヘルニアになる前は、運動をすることで腰痛を改善できていた。運動を再開できるくらいの腰の状態を取り戻したい。 ​施術と経過: 立位で腰を動かしてもらったところ、腰を反らす動きで骨盤上部に痛みとひっかかりがある。また、ベッドに腰かけて上半身を前に倒す動作でも、同じところに痛みが起こる。 肘のツボに鍼をしたところ、ベッドに腰かけて前かがみをしても痛みが起こらなくなった。続いて臀部のツボに鍼をすると、腰を反らす動作が痛みなくできた。背中の緊張を緩めるために、骨盤のツボに鍼をした。「自分の腰ではないみたい(に軽い)」。 2診目(初診から6日後) 腰が軽い状態でずっと過ごせており、ヨガをすることもできた。前回と同じ方針で施術。肩甲骨内縁のツボを加える。 これ以降も、良い状態を保つことを目的に通院を継続されている。 まとめ: 「腰全体から背中まで」の広い範囲の痛みを訴えられていたけれど、問診や検査の結果、痛みの原因は骨盤付近の不具合(右側のみ)に絞られ、少ない本数の鍼で変化を出すことができた。肩や腕の状態を調整することで腰痛が改善できた症例。

​症例22 前かがみの姿勢から体を起こす動作がつらい腰痛

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来院者:70代女性 期間:2023年5月 通院回数:1回 症状: 来院の2日前に食材の買いだしに出かけた際、重い荷物を持った時に腰に違和感を覚えた。それ以来、前かがみの姿勢から体をまっすぐに起こすときに痛みがある。また、毎日自宅で行っている体操のうち、仰向けになり膝を伸ばしたまま下肢を床から上げる動作が、腰の痛みのためできない。 ​施術と経過: 腰に触れると、くびれのあたりで右側のほうが緊張が強い。その部位を緩ませるために同側の臀部に鍼をした。続いて、ソケイ部の緊張を緩めるために足の甲のツボに鍼をした。立って腰を動かしてもらったところ、痛みなく腰を反らすことができるようになった。2週間後に別の症状で来院されたとき、「腰の調子は良い。仰向け状態で行う足上げ体操も再開できている」とのことを確認した。 まとめ: 重いものを持つ動作によって腰痛を起すことは多い。腰の痛みの原因は腰以外の部分が引き起こしていることが多く、本症例でも臀部や足部への鍼で腰痛が解消できた。ご本人が「どういう動作がつらいか」を明確に示されたので、原因点が見つけやすかった。

​症例23 続いて起こった左右の腰痛

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来院者:40代女性 期間:2023年 5月~6月 通院回数:3回 通院頻度: 1週間~10日に1度 症状: 4か月ほど前から、左腰から左臀部にかけて痛みがある。メンテナンスを目的に定期的に通っていた鍼灸院が5か月ほど前に閉院されたため、それ以降不調が徐々に強くなっている。 他に首肩凝り・眼精疲労などもあり定期的に全身をメンテナンスできる鍼灸院を探していて、当院にご連絡をいただいた。 施術と経過: 立位で動作を確認すると、前かがみの姿勢で痛みと不安定感がある。左側に振り向く動作でも痛む。うつ伏せの状態で下肢の状態も確認した。臀部のツボに鍼をしたところ痛みが半分くらいになった。次に大腿のツボに鍼をすると、痛みなく前かがみができるようになった。 2診目: 5~6日間は調子よく過ごしていたが、その後(理由はわからないが)今度は右腰に違和感が現れ、少し様子を見ているうちに激痛になったため整形外科を受診。レントゲンで異常はなかったが、処方されたロキソニンなしでは過ごせないほどの痛みが数日間続いている。椅子からの立ち上がりや、立位で腰を反らす、布団から上半身を起こす動作などでひどく痛む。足の甲のツボに鍼をしたところ椅子から立ち上がる時の痛みが減少。大腿のツボ、臀部のツボ、背中のツボへ鍼をしてゆくと、腰を反らすこともできるようになった。 3診目(2診目から1週間後): 前回の施術の夜からロキソニンを使わず過ごせている。動作痛はほぼ無く、張り感が少しある。残っている症状を足のツボを使って解消した。 **3診目の1週間後に来院された時、腰痛は解消されていることを確認。 まとめ: 短期間の間に起こった左右の腰痛でしたが、症状は違っていました。「どんな動作でどこが痛むか」を確認すると、痛みの原因点が整理できてきます。原因点を一つずつ解消してゆければ、スムーズに動けるようになってゆきます。

​症例27 6か月前から続いている右半身の不調

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来院者:40代女性 期間:2023年 7月~8月 通院回数:3回 頻度:1週間に1度 症状: 月経不順の改善を目的に6か月前に婦人科を受診し、女性ホルモンの処方を受けた。その頃より、首肩こり、おなかの痛み、腰~骨盤周りの痛み、下肢の重だるさなどが、右半身にのみ起こっている。月経不順には改善がみられないことから来院2週間前くらいに薬の使用はやめたが、右半身の不調は残っている。 施術と経過: 体に触れると上半身・下半身ともに右側の緊張が強く、首の動きも右側に制限が大きい。また、下腹部で右側に強い冷えがある。 首・肩・背中の緊張を緩める目的で、手・足のツボを使って施術。 2診目(1週間後) 前回の施術後、右半身の不調はすっきりと軽くなったが、その後徐々に戻ってしまった。おなかは、冷えはあるが痛みは消失している。 3診目(1週間後) 右半身の不調はすべて消失している。前回の施術のあとは、深く眠ることができた。 状態を維持する目的で、これまでと同様の施術を行った。 まとめ: 「ホルモン剤を服用すると体が消耗する感覚がある」と、薬によるからだへの負担を実感されていた。 施術においては、ホルモン剤という原因にとらわれることなく右半身に現れている緊張を調整していったところ、肩や腰の痛みやだるさだけでなく、内臓(おなか)の症状も改善することができた。 当院へは生理不順の改善を主訴として来院されたが、体の左右のアンバランスが全身にわたるため、先に調整しておく必要があると考えた。主訴については、このあとも施術を継続。

​症例28 体が右側に傾いてしまう腰痛

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来院者:40代女性 期間:2023年9月 通院回数:2回 頻度:1週間に1度 症状: 腰痛発症は1週間前。コロナ陽性となった家族を隔離するために自分は寝室ではなくソファで寝ていたら、腰の痛みのため歩くこともできなくなり仕事も数日欠勤した。 来院時は、痛みのために体が右に傾いてしまいまっすぐ立つことができず、歩行時は膝が曲がってしまう。他に、高いところに手を伸ばすことや靴下をはくことができない。 ここ数年は、腰痛を起すと症状が長引きがちになっていることもあり、「マッサージではだめだ」と思い鍼灸を考えた。 施術と経過: 腰の動きを確認すると、前屈・後屈のどちらも制限が大きい。また、振り向く動作で右腰が痛む。関連する足の甲のツボに鍼をしたところ、前屈・後屈時の痛みが大きく減った。続いて、右腰方形筋の症状を改善するため、右臀部と膝のツボに鍼をしたところ前屈時の痛みがなくなった。また、右に傾くことなく立位を保持できるようになった。 施術後には靴下をはくことができた。 2診目(1週間後) 前回の施術後、高いところに手を伸ばすことや、膝を伸ばして歩くこともできている。前かがみの動作もできるが、その姿勢をキープするとき、臀部に残る鈍痛が不安。 腰に特異的な圧痛があり、その部位に鍼をすると臀部の鈍痛がなくなった。加えて、膝のツボに鍼をすると、前傾姿勢をキープできるようになった。 まとめ: 前屈、後屈、側屈・・といろいろな動作で痛みがあるため、生活にも支障が大きかった。腰と臀部、腰と足・・など、連動関係をひとつずつ調整することで、動きの制限を解除することができた。

​症例37 リモートワークで発症した腰痛

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症状: 数日前から腰の重さは感じていたが、自宅でのリモートワーク中に急激に痛みへと変わった。椅子からの立ち上がり時やふとした動きで腰にビリっと電気が走る。痛みのために腰を伸ばして立っていることができず、歩行では着地の振動が背中から腰にピリピリと響く。 当院に受診歴のあるご家族にすすめられて来院。 来院者:60代女性 期間:2024年1月~2024年1月 通院回数:2回 通院頻度:1週間に2回 施術と経過: 立位では、前かがみでも後ろに反らす姿勢のどちらでも、腰の広い範囲が痛む。右側に重心がかかると腰に電気が走る。また右に振り向く動作で、右腰が痛む。 まず右足の甲のツボに鍼をした。診療ベッドから立ち上がる時にあった痛みが「違和感」程度に軽減。立ち上がった後も腰が少し軽い。 次に右股関節のツボに鍼をした。来院時に比べて痛みが半分以下になり、腰をまっすぐ起して立っていられる。 2診目(2日後): 歩行時の腰の痛みもほぼ消失しており「だいぶいいです」。右腰には不安がないが左腰のくびれのあたりに重さが残っており、 翌日に予定しているハイキングで再発なく歩けるようにとのことで来院。 左腰の状態を確認したところ、臀部に強い緊張がある。その部位を鍼で緩めたところ、左腰にあった重い感じが消失した。 後日、「痛みなくハイキングに行けました」と、ご報告をいただいた。 まとめ 長時間座り続けたことで起こった腰痛。臀部や股関節に生じていた緊張を緩めたら、電気が走るほどの腰の緊張も消失した。

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